週末は死なない

主にゲーム日記を書き殴ってみる。ネタバレありまくり。

グノーシア 感想

ハードの終焉には傑作が出る

もうPS Vitaが生産終了して2年以上経つわけですけど(マジか……!)、そんなvitaの生産終了後に出た一人用人狼SF ADVを今更クリアしたので感想をば。傑作ですぜ。
ネタバレあるよ。未プレイでこれからプレイしようと思ってる人は何も情報を見ない方がいい。「OuterWilds」と同じくらいにネタバレ厳禁ゲームだと思う。

一人用SF人狼ループものADV

ゲームとして有名だけどリアルで多人数相手に頑張らなきゃいけないしなーと敷居が高い「汝は人狼なりや?」を一人でもサクッと出来るようにしようぜ!ってな感じのゲーム。テーブルトークRPGゲームマスターをコンピュータにやらせればいいじゃないっていうWizardryと同じ方向の発想なんだな。正しくコンピュータゲームですね。

手触りがとてもよい

1プレイの時間は長くて15分くらいだし、役割も毎回変わるのでランダム性と、色んな駆け引きと、操作性の良さでサクサクと心地よくプレイできる。画面演出とSEがマッチしててプレイしてて気持ちいいんだよね。グノーシアが分かった時とか、嘘を見抜いた時の演出とか好き。これが3人位で作ったインディーズゲーってのがスゴイよなぁ。カリカリチューニング具合がものすごいわ。
この感覚は楽しいローグライクやってる時と同じなんだよな。やることは一緒だけど毎回リセットされて構成が違うっていう。テキストベースのローグライク。まぁそう考えるとボドゲってのはローグなんだな(違う)。

人狼とループモノADVの融合

色んな役割をランダムでやりたいじゃん!じゃぁループしちゃえばいいじゃん!という発想が素晴らしいよね。普通の人もリトルグレイもイルカもいるよ!SFなので。んでそんな人たちと人狼するよ!SFなので。そんなキャラたちの性格をステータスとして表して、人狼としても「このキャラならこんなことするなー」って思わせるシステムが素晴らしい。キャラの特記事項の解放条件が乗員側もグノーシア側もあるのも色んな役割をやらせる動機付けに自然となっててうまい。

難易度は高め

まぁ人狼なので、最後まで生き残って勝利しないといけない。しかもイベント対象のキャラと一緒に生き残らないといけなかったりするので、余計難しい。まぁそこまでいくには自キャラもレベルアップ出来ているので割と力技でなんとかなったりする。

ここからはネタバレ全開でストーリーとかの感想











ループの話とか

ループの理屈は結構トンデモだったなぁ。謎の寄生生物だからね。でもループする理由というか理屈というか動機というかは割と納得したかな。まぁ人語をしゃべるイルカがいる時点で何でもありなんだよね。

しかし寄生生物の情報収集欲とはね。最初はグノースがそーいうことしてるんだと思ってたよ。人間の電子化を至上主義としてるからこそ色んな人格を集めるためにループさせてるんだって。だからシュミレーションの話、ヴァーチャルの話なのかな、とも思っていた。

グノーシアが何なのか、は割とあっさりと流された感じ。グノーシアの世界では現実としてグノース、グノーシアってのは存在していて、世界の謎としてはバグとループが重要だったのね、と。主義主張がグノーシス主義と同じなので詳しく知りたい人は現実で調べてみてねってことなのかなー。

「プレイヤー」とセツのお話

このゲームは最初から最後まで「プレイヤー」とセツの話、ってのがスゲェ上手に描かれてるんすよね。セツの性別が男女でなく汎ってのも、プレイヤーの性別に関係なくグノーシアを「体験」して欲しいからなんでしょう。チュートリアルも、各キャラのイベントも、自分がプレイして体験している。そしてそれが伏線となって回収されて、最後に解決する。「体験」すらも伏線にして。だからこそあのEDの一枚絵とセリフにやられちゃうんですよねぇ。

あとタイトル画面ね。セツが真ん中に居てこっち向いてるのはズルいわ。それとSQとククルシカだけ向きが逆なんですよねぇ。うまい。

イベント進行の話

特定のキャラが特定の役割のときに生き残るとイベントが進む、ってのは割とやっかい。ランダムで役割が変わるっていう部分が邪魔しちゃって狙ったキャラがすぐ凍結されちゃったりすると、イベントが残ってる序盤はともかく終盤はリセットするか、経験値稼ぎと割り切ってその日を進めるかしかなくなっちゃうのが厳しい(ラキオ、君のことだよ!何度夕里子様にアイアンクローされてる姿を見たことか……)。まぁリセットもメニューからすぐ出来るのでいいんだけどね。

特記事項を全て埋めることで話が進むよ、という情報開示はもうちょっと早めに若干の強制イベントとしてやった方が良かったんじゃないか?と思う。あのイベント出たの終盤なんすよ。中盤のイベント進まねーってやきもきするくらいのタイミングであのイベント来たらモチベーションは上がるよな、と。

バックログとイベント回想は欲しかったなぁ。「このイベントなんだっけ?」てのは割とあるので。そしてそれがストーリーの根幹に関わってくるので。真EDの入りのオトメの釣りとか、なんの話か忘れてましたよ。あとSQちゃんのママンの話とかね。両方ともswitch版にはあるらしいよ。隠し気味らしいが。

謎解きの話

さらりと第四の壁を超えてくる謎解きだったなぁ。しかも2段階なの。2つ目の謎解きはわかんない人はホントにわかんないと思う。実はゲーム中の取説にヒントが書かれてるとはねぇ!セーブデータが3つもあるのに完全初期化の方法が書いてあるのはなぜなのか?なんでもやってみろとしつこく書かれているのはなぜなのか。

ループモノといえば

最近やったループモノっていうと「Outer Wilds」だけど、あれも体験なんだけど世界の体験て感じで、物語の体験ではなかったんだよなぁ。どこか他人行儀というか、どっちかっていうと神視点、みたいなさ。グノーシアは主観視点で物語の体験だと感じた。一緒にいる時間が違うんだろうな。OuterWildsは「世界」と一緒に過ごす時間が長くて、たまに人に会う。グノーシアは「人物」と一緒に過ごす時間が長くて、たまに世界を見る。どっちを主に持ってくるか、っつーことかな。

謎解きの難易度というか、何をしたらいいのか分からなくなるところも似てるかも。どっちもノーヒントだと途方に暮れる瞬間が来る。その分先に進めたときが嬉しいけどね。

OuterWildsは結構発明だ!って感じで評判いいけど、グノーシアも負けてないと思ったなぁ。人狼とループモノADVの融合っぷりはホント発明ですよ。話の持って行き方はグノーシアの方が好きかな。さんざん死んだんだから最後は救われてほしいですよ。

ダラダラと書いてしまった

プレイ日記として書いてなかったからか、色々と書いてダラダラ文になってしまった。でも最後の怒涛の展開とか色々言いたくなるストーリー展開なんすよ。OuterWildsと同じようにネタバレは厄介だけど色々と書きたくなるゲームなんだと思うよ。あ、プレイヤー介入型としては「OneShot」とも似てるかもね。

ちなみにクリア時のLoopは138、Lvは141でした。